MECHANISM

作用機序

薬用ハイドロキシアパタイトの働き

サンギのハイドロキシアパタイト研究における最大の成果は、1993年にむし歯予防成分として認可を受けた「薬用ハイドロキシアパタイト」(<mHAP>)です。
歯の主成分ハイドロキシアパタイトとほぼ同じ成分であり、歯のエナメル質へ直接働きかけ、3つの作用でむし歯を予防する成分です。
この薬用ハイドロキシアパタイトは、基材、研磨剤として配合されている一般的なハイドロキシアパタイトと区別され、サンギの自社商品とOEM商品のみに配合されています。

TRIPLE ACTION

ひとつの成分に
3つの作用

歯垢の吸着除去

ナノ<mHAP>は、歯の表面の歯垢(口腔内細菌が形成するバイオフィルム)を吸着し、除去します。

ハイドロキシアパタイトのタンパク質吸着能力は一般的に知られ、古くから液体クロマトグラフィーなどの吸着剤として使われています。ハイドロキシアパタイトはその合成法(形状の制御)によって、菌に対する吸着力が異なり、ナノ<mHAP>の粒子は特にミュータンス菌というむし歯の原因菌に対して優れた吸着力を有しています。

表面をきれいに

※初期菌数4.8×108個
※種々リン酸カルシウム懸濁液10mg/ml
出典:口腔衛生学会雑誌、第49巻、614-615、1999

歯面の微小欠損の充填

ナノ<mHAP>は、歯の表面のミクロの傷を埋めて修復します。また、表面をなめらかにすることで、歯垢や着色汚れの再付着をしにくくします。

下の写真は歯の表面を走査型プローブ顕微鏡で観察した画像(左が上面、右が断面)です。
上段は健全な歯の表面ですが、実は微細な傷がついていることを示しています。
エナメル質表面をナノ<mHAP>で処理したものが写真下段ですが、上段と比較して、粗れが緩和されていることがわかります。

傷を埋めてなめらかに

走査型プローブ顕微鏡(SPM)画像 サンギ中央研究所

表層下脱灰部の再石灰化

ナノ<mHAP>は、初期むし歯(むし歯の一歩手前の状態)を再石灰化します。

歯垢内細菌がつくる酸や食べ物の酸により、エナメル質の表層下からミネラルが溶け出してしまいます。この脱灰した状態は「初期むし歯」。つまりむし歯の一歩手前の状態と言われます。ナノ<mHAP>はこの溶け出した表層下にミネラルを補給し、再石灰化します。臨床試験(in situ)では、ヒトのエナメル質のサンプルを被験者の歯に装着してテスティングすると、写真のような表層下脱灰部の再石灰化作用が確認できます。

歯を丈夫に

出典:
Remineralization of Early Caries by Nano-hydroxyapatite Dentifrice
K.NAJIBFARD, R.KARTHIKEYAN, I.CHEDJIEU, and B.T. AMAECHI
University of Texas Health Science Center, USA

ANTICARIES

むし歯予防効果

1980年代数年にわたり薬事申請のために行った小学校での臨地試験では、
ハイドロキシアパタイト配合の歯みがき剤を使った子どものグループは、
同成分無しの歯みがき剤を使ったグループと比べて、むし歯抑制率に大きな有意差が見られました。(以下参照)

むし歯の抑制率

出典:「ハイドロキシアパタイト配合歯磨剤のう蝕抑制効果」可児瑞夫
(歯科ジャーナル 39:809~822,1994)

岐阜県の小学生181人(男子92人、女子89人)にその後薬用成分として認められたハイドロキシアパタイト配合歯みがき剤とプラセボ(無配合)歯みがき剤を、1日1回給食後3年間にわたって使用させました。

その結果、同ハイドロキシアパタイト配合歯みがき剤を使った群は、プラセボ群と比べて、う蝕抑制率は男子では36%、女子では56%というすぐれたう蝕予防効果が見られました。