DDS

薬物投与改善
システム

点滴から経口投与へ:薬の吸収を助ける

近年、創薬戦略の変化から難水溶性薬物は増加傾向にあり、市販されている薬の40%、新規薬物候補化合物の70%が難水溶性であると報告されています。薬物自体は病気に対して効果があっても、水に溶けにくく、飲んでも腸から吸収しにくい薬が増えています。

ハイドロキシアパタイト(HAP)は、骨や歯の主成分として、生体適合性が高く、毒性のない、医薬品添加物として認可されています。
サンギは、ナノレベルのHAPを機械的に薬物表面に適用することにより、難水溶性・難吸収性薬物の溶解性と腸管からの吸収改善の研究を進め、特許技術としています。
この技術により、今まで注射でしか使用されなかった薬を飲み薬に変えることが可能となります。

薬には副作用の問題が知られています。例えば、点滴静注される抗癌剤のシスプラチンは、特に腎臓に対する毒性が強い薬です。
しかし、HAP製剤化により、

  • シスプラチンの経口投与が可能となり、毒性も減る(ラットを用いた実験で証明済み)
  • 薬の量も、副作用の心配も同時に減らす
  • 製剤作成過程は乾式で行われるため、薬物の構造的変化がない

が可能になりました。
このプロジェクトが成功すれば、患者さんの身体的な苦痛や通院などの時間的な拘束を減らし、Quality of Life(生活の質)を向上させることが期待できます。

DDSに関する
論文・学会発表はこちら