4NASAの技術~ハイドロキシアパタイトとの出会い~

創業期は、物品の輸入だけではなく特許などの知的所有権の売買にも取り組んでいた。

ある時、そのネタを探すためアメリカ航空宇宙局(NASA)の特許を調べた。世界最先端技術の開発をしているだけあり、保有する特許はざっと5,000 件もあった。
この少し前、取引先の化粧品会社の社長から 1 本3,000円台の高機能歯みがき剤を開発したいというアイデアを聞いていた佐久間は、「歯科材料」という言葉が目に留まったのだ。
リン酸カルシウムの一種であるブルシャイトを使い、口腔内の化学反応によって歯の主成分であるハイドロキシアパタイト(HAP)を合成し、歯の表面をコーティングする提案だった。

「これは使えるかもしれない」口腔内で反応させるのではなく、HAPそのものを歯みがき剤に入れてしまえば、毎日歯をみがくことで歯に刷り込まれ修復できるのではないか。
NASA の技術をヒントに、それまでになかった画期的な歯みがき剤の開発を思いついたのだ。

こうして“アパタイトカンパニー”を掲げる、サンギの新たな挑戦が始まった。