2004年の「ナノテクアパガード」リニューアルの結果、売上は緩やかながらもおおむね上昇軌道に乗り始めた。
この年、予防歯科の普及を中心とする歯科ルート専門業者と提携し、歯科ルート向け高機能歯みがき剤「アパガードリナメル」と歯科医療従事者用の「リナメルトリートメントペースト」を発売。歯科医療従事者にも、正しい成分理解とともに受け入れられるようになった。
2007年からは若手幹部が参加する中長期経営システムを導入。
これまで発売時から販売を委託していたアパデントを自社販売に切り替えた。2000 年代になって委託先の販促活動がほとんどされず、売上は一時期の勢いを失い、このままではブランド自体が数年以内に消滅してしまう恐れがあると、マーケティング担当の若手幹部が指摘したからだ。
2008年以降は自社ブランドとして展開しており、2024年サンギ50 周年を機に、テレビCM を含む大型リニューアルを実施し、ブランドのさらなる成長に力を入れていくことになった。
主力のアパガードブランドも、2008年には再度リニューアルを行い、「薬用ハイドロキシアパタイト<mHAP>」をスタンダードタイプより高配合したブランド一番人気の「アパガードプレミオ」を発売。安定した成長を続けている。
1990 年代にアパガードが成功を収めたことで注目を集め、海外からの依頼に応じ韓国や台湾に輸出したことがあった。しかし製品の価格がネックとなり、本格的な取引にはならなかった。
2000 年代に入り、海外からの引き合いが益々多くなったが、対応できるスタッフはほとんどいなかった。そこで2010年に輸出業務に詳しい人材を採用し、本格的な海外事業展開に乗り出した。その1 年後、ロシア向けに「アパデント」を出荷し、サンギの輸出事業が開始された。
幸いにも現地代理店に恵まれ、現在では約30カ国に商品を輸出するまでになった。
2011年には、ピーク時に70 億円にまで膨れ上がっていた借金を完済し、創業以降初めて無借金経営となった。長い苦難の道を乗り越え、ようやくサンギは再建された。
(写真は初代「アパガードリナメル」医薬部外品・薬用歯みがき。株式会社オーラルケアを通じて歯科ルートで販売されている。)